DAVID BOWIE / STUDENT ISLAND FESTIVAL 1997 【1CD】

DAVID BOWIE / STUDENT ISLAND FESTIVAL 1997 【1CD】

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商品詳細

■1997年アースリング・ツアー欧州最終日
■欧州最大のロック・フェス出演時のライヴ
■超高音質サウンドボード収録

アルバム『アウトサイド』はイーノと組んだ意欲作であり、ファンの評判も上々だったにも拘わらずセールス的にはあまり満足のいくものではなかった。しかしアウトサイドに伴うツアーはボウイの創作意欲に大きな刺激を与えたようだ。そして次作『アースリング』リリース後、ボウイは間断を置かず再びツアーに出たのである。ツアー・タイトルはそのままEARTHLING TOUR。このツアーは1997年のほぼ1年間を費やした大規模なものとなった。

アルバム『アースリング』がリリースされたのは1997年2月であったが、それ以前の1996年のステージにおいても、未発表だった収録曲「Telling Lies」や「Little Wonder」などを演奏していた。しかし本格的なアルバムに伴うツアーは1997年5月まで待たねばならない。ウォーム・アップ・ショウを4公演経た後、1997年6月7日ドイツでツアーは開幕した。これはヨーロッパ各国を隈なくまわるもので、ドイツに始まりオランダ、フランス、オーストリア、チェコ、ノルウェー、フィンランド、クロアチア、イタリア、ベルギー、デンマーク、スイス、スペイン、スウェーデン、イギリス、ポーランドなど、まさに全欧州を制覇するかの如く過去に類をみない大規模なものであった。そしてこの大規模欧州ツアーの最終日が1997年8月14日ハンガリーだったのである。

本作に収録されている欧州ツアー最終日ハンガリー・ブダペスト公演は、ISLAND STUDENT FESTIVALと呼ばれるフェスへの出演として行なわれた。このフェスティバルは日本人には馴染みが少ないが、毎年8月にブダペストで1000組余りのアーティストが出演する欧州最大のロック・フェスのひとつである。この欧州最大のフェスにボウイが出演したのである。よって通常のセットリストとは異なりかなり凝縮されたものとなった。そして本作はこの欧州ツアー最終日にしてフェスティバルへ出演のライヴをサウンドボードで収録したタイトルである。

オープニングはなんと『ハンキードリー』からの曲が2曲続くという意外なもの。オープニングは涙が出るくらい美しい「Quicksand(流砂)」である。これまた意外にもマリリン・マンソンはこの「流砂」をボウイで最も好きな曲に挙げている。その「流砂」でフェスティバルは開幕するのである。ハードな曲でいきなり会場を暖めるのではなく、このように静かに始め徐々に盛り上げていくステージ構成にも注目である。しかも「流砂」の歌詞の響きが素晴らしい。コーラスに女性ヴォーカルが入り、歌詞のひとつひとつを丁寧に紡いでいくボウイの歌唱。そしてサビの部分「自分を過信してはいけない。信念を持って欺いてはいけない。死を解き放てば知恵は与えられる」という哲学的な歌詞が非常の重く胸に響いてくる。そしてアコギだけの前半から、ギターのギュインギュインという合図と共に後半部分はバンドが加わり厳かに壮大な雰囲気を曲に与えている。

そして2曲目は「Queen Bitch」である。これもまた『ハンキードリー』からの選曲である。「流砂」とは一転激しいリフが印象的なヴェルヴェット・アンダーグラウンドへの敬意溢れる楽曲である。ボウイのヴォーカルがドライで全面に出たミックスなので、このサウンドボード音源で聴くとボウイの歌唱の素晴らしさが堪能できるものとなっている。ボウイはヴェルヴェットのファンとして有名であるが、3曲目はそのカバー曲「Waiting For The Man」である。72年頃からステージで演奏してきた曲であるが、それを1997年になり新しいアレンジと解釈で演奏している事に感慨を覚える。ユーモラスなギター・リフが加えられ、ウーワーウーワーというコーラスが重ねられ、ギターソロの合間にはブレイクを入れる凝りよう。何とも面白いアレンジとなっている。4曲目「The Jean Genie」はブルースのナンバーをイントロに加え、それが徐々に「The Jean Genie」に変化するというアレンジとなっている。ボウイがこのようなドブルースを歌うのも珍しいが、かなりお洒落に決まっているので、ソウル風に『ヤング・アメリカン』を作ったように、生前にブルース・アルバムを作っておいてもらいたかったと思う。「I’m Afraid Of Americans」においてはハードさは鳴りを潜め、後半にアカペラ部分を作り、よりリズムが強調された、テクノポップ風なものとなっている。

ここで次にようやく新曲「Battle For Britain」が登場する(「I’m Afraid Of Americans」は『アースリング』収録曲であるが1995年に既に発表されている曲のリテイクである)。間にピアノ・ソロや打ち込みの電子音が挿入されるなど、アルバム『アースリング』の特徴であるデジタル・サウンドをステージで忠実に再現しようと試みている。エンディングにはファン・サービスなのだろう「Time」のイントロフレーズをピアノで奏でて終えている。「The Man Who Sold The World」は古い曲なだけに大胆なアレンジが施されており聴きどころのひとつである。どことなく東洋的な響きを持つギターの音色をバックに、リズムトラックをベースにほぼアカペラに近い形で披露されている。「Fashion」は過去の曲の中でも特にこのツアーのアレンジに親和性があると思われる楽曲であるが、想像に反して更にオリジナルよりもファンキーなものとなっている。続いて再び新曲「Seven Years in Tibet」である。同盟タイトルの映画が1997年に公開されているが、ボウイは映画とは関係なく原作からインスパイアされ作られた曲である。「Fame」には奇妙なイントロが付与されており、最初は「Fame」だと気付かない。歪みまくったギターと重々しいリフで始まる、これまた大胆なアレンジに生まれ変わっている。演奏はあえて起伏なく淡々と進められているようだ。「Stay」においても同様で、電子音のイントロが付与され、その後お馴染みのギター・リフが重ねられるアレンジとなっている。全体を覆うデジタルな雰囲気が面白い。「Looking For Satellites」もまた新曲である。

本作はアルバム『アースリング』に伴うツアーでありながら、欧州ツアー最終日に組まれたフェスティバルへの出演とあって通常のツアーとは異なる特別なステージとなっている。それを高音質のサウンドボードで収録。美しいピクチャー・ディスク仕様の永久保存がっちりプレス盤。

STUDENT ISLAND FESTIVAL
BUDAPEST HUNGARY August 14, 1997
01. Quicksand
02. Queen Bitch
03. Waiting For The Man
04. The Jean Genie
05. I'm Afraid Of Americans
06. Battle For Britain
07. The Man Who Sold The World
08. Fashion
09. Seven Years In Tibet
10. Fame
11. Stay
12. Looking For Satellites
13. Under Pressure
14. Hallo Spaceboy
15. Scary Monsters